春の夜の夢の中。帰路は、遠回りをしている。春の夜の、水気を含んだ重い大気、桜は水中を漂うように咲いている。昨日から、随分と花は散り始めた。桜舞う中へ飛び込む瞬間は、白昼夢のようである。見事な桜を眺めていると、これこそ天蓋なのではないかと。これから、刻一刻と移り変わる桜を愛でることは、とても幸せなこと。koji