diary of radio pollution
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2013年03月26日(火) 隅田川

見事な春の光景。

東京へ来てから三回目の春を迎えたが、一度目は震災後の世の混乱の中、仕事が多忙だったのと花見気分にもなれなかったので、あまり桜の記憶はない。

昨年は、ようやく桜を眺める余裕があった。都心の桜を友人と見て回ったのは、とても良い時間だった。

そして、今年は以前から下町の桜を見たい、と考えていたので、ちょうど昨年に読んだ浅草が題材の小説の縁の地を回ってみることにした。

やや肌寒いが天気は素晴らしく、少し離れた駅から浅草方面へと歩く。偶然に頼りながら近所の人しか知らないような小さな桜を探したが、上手く出会わず。あっさりと浅草に着いてしまう。

さすがに観光客でごった返す浅草寺。仲見世の脇を通り抜け、二天門へ。道の先へと目をやると、桜が見える。隅田川へと歩く。

言問橋の欄干から川を眺めていると頭の中では、春のうららの、と滝廉太郎の「花」が流れてくる。しかし、今となっては、櫂も見当たらないエンジン音。

ふらふらと歩いて、紙洗橋へ。この辺りの桜は近所の人の憩いの場といった趣。眺めていても心が和む。

その後、また浅草寺方面へと戻り、旧象潟署、旧尋常小学校を通り抜け、花やしき裏手を通り、目的地の老舗喫茶へ。

最後に、ある古い建物を探していたが、どうもその場所には新しいビルが建っている。残念ながら、一番触れてみたかった昔の息吹を感じることは叶わなかった。

koji


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