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■ 時間
久しぶりに「友だち」と呼べる人に電話をしてみた。 考えればオレには友だちが少ない。 というか、ネットでの友だちは何人かいるが、実際にはほとんどいない。 それは、オレが人と距離をとれないからだ。 近づくことが出来ず、いつまでも遠いまま。 気がつけば当たり障りのない会話しか出来ない人になっている。
彼女と最後に連絡を取ったとき、発作を起こしている最中だった。 彼氏とよりを戻してすぐ。 まだ冬のさなかだった。 彼氏は何が起こったのかというように困っていて、とにかく苦しくて仕方がなかった。 そんなときに携帯が鳴ったんだったっけ。 ごめんね、いまはごめんねと繰り返すしか出来なくて、きっと何が何だかさっぱり分からなかったと思う。 その後、連絡が途絶えていた。
携帯の番号が変わったことも連絡していなかったので、出てくれるかどうか不安だったけれど、2回コールしたところで出てくれた。 彼女は美容師をしている。 職場の先輩と同棲しているようだ。 幸せそうで安心した。 高校の頃、彼女はとても「悲しい人」だと思った。 いつも、彼女は何故不幸に向かって進んでいくんだろうと思っていたことを思い出す。 そんなふうに感じていたよ、というと、彼女も「あたしもそう思ってた」と笑っていた。 でも、今は幸せそうだ。 職場にも恵まれているらしい。 話を聞いていて嬉しくなるくらい、充実している。 時間が流れているんだってことを思い出した気がする。 今のオレは目の前にあるもので手一杯で、季節の移り変わりは感じていても、実際、同じところに留まっているような感覚でいる。 歳を重ねても、いつまでもいつかの自分と変わっていないような気がする。 ふと考えると、どこにいるんだろう、というような。 いつからか、精神的な成長は止まっている。 心の中の時間が、動いていない。 どうして止まってしまったのか、分からないけれど、また動き出すのはいつだろう。
気付いてしまった、そんな気がした。
2003年10月26日(日)
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