月のシズク
mamico



 がまぐち君

今月から再び家計簿を付け始めた。
再び、と言ったのは、Luka(旧マシン)がクラッシュしてから、Marco(新マシン)
にソフトをインストールしていなかっただけのことだ。余白、四ヶ月(苦笑)

家計簿を付けているからといって、特に財布の紐が固くなったりはしないのだが、
小さな流通経済の動向を把握するのは、ちょっとした安心材料だ。毎月の煙草代
とか、外食費とか、通信費がどれくらい生活費を圧迫しているかを知るだけでも、
他の雑費とのやりくりをシュミレーションするのに役立つ。
数字はそこんとこが明確なので、何かと便利な記号だと思う。

さておき、家計簿の習慣を付けてくれたのは兄だった。
東京に住み始めた最初の二年間、私は先に都民になっていた兄と同居していた。

4月のある日、「今日から家計簿をつけよう」と、彼は一冊のノートを広げた。
ズボラな私と違い、絵に描いたような几帳面さを持つ兄は(尊敬に値する)
毎晩レシートを広げながら、鉛筆でコリコリと家計簿に数字を記入していった。
彼はまた計算を得意とする系統の人間なので、電卓を使わずにパパッと
暗算し、空欄に合計金額を書いた。まるで算数の問題集を解いているかの
ように。楽しそうに、やすやすと。

今の私は、パソコンのソフトに頼りっきりなので、クリックひとつで数字が
はじき出される。その計算が間違っているはずはない、という根拠のない
信頼を置きながら。でもたまに、紙と鉛筆で(兄がしていたように)数字
を組み合わせて暗算をしてみる。数字を出す行為は、ちょとした快感を伴う。
脳味噌の柔軟体操のようで、理数音痴の私でも、わりと好きです。

2003年10月06日(月)
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