街で背中の曲がったジィさまを見かけると、どうも涙腺が弱くなって仕方ない今日この頃…。
「ゴールデンウィークには東京へ居を移す。」と、歯医者のジィ様先生は仰った。京都の家の処分もあるだろうから、当分「行ったり、来たり…」らしいが、それにしても怖くて確かめることができない。
診療所へ行くことも、電話をかけることも、今の私にはできない。 現実を受け入れるには、もう少し時間が必要だ。
さて、歯医者のジィ様先生がかつて仰っていたことがある。 「人間はなるべく広い生活空間を持っていた方が良い。」
4畳半より8畳の…8畳より10畳の… 広い部屋で四肢を伸ばす環境なら心も些末にならないというのが彼の持論である。
「北海道みたいに広い土地で暮らせると良いな。」と彼は言っていた。
…とはいえ、現実に実行に移すのは難しい…。
最近、心のパーソナルスペースを意識して広げるにはどうしたら良いか…?を考える。
良書を読む。 良い芸術に触れる。
数年前、映画「フィフス・エレメンツ」の中で、異星人の歌手の歌声を聴き感動の涙を流すブルース・ウィリス(役柄で)を観て感動した。
本や歌の役柄に自己を投影して涙したことはあっても、歌そのものに感動して泣いたことは無い。
ブルース・ウィリスの役柄の感性が羨ましかった。
最近オペラにはまりだすようになって、良い芸術にふれることはすなわち、心のパーソナルスペースが広くなる可能性が高くなることではないか?
…とふと思ったりもする。
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