熱帯マンゴー日記

2004年02月26日(木) 自虐の詩

影響され易い単純なアタクシは、本屋で下巻だけ買ってきました。
上巻は売り切れでした。トホッ。

あっ、知らん人には内容を説明しとくと、1985〜90年まで週刊宝石で連載された四コママンガっす。
無職でギャンブラーな夫イサオと、名前とは裏腹な不幸ど真ん中な妻幸江の夫婦とそれを取り巻く人々の大河四コマなのだ。

昨日のBSマンガ夜話では「泣くぞ〜」と脅されてたので、読んだら泣くもんかとワシは逆に思ってたんだが、やっぱり泣いてしまったヨ。
マジで!

まあ、アタクシも平凡な人生歩んでるがいい歳なんで、マンガの内容が実際の生活と思い当たる節もあったりしたっす。
現在の夫婦の生活描写(ギャグも入ってる)の間に、幸江の子供時代の話が挿入されてて、これが悲しいけど可笑しいのだ。
幸江の家は、無職でギャンブラーな父のおかげで借金まみれで、貧乏のどん底。
実母とは赤ん坊の頃に別離。
ほんとに不幸オンパレードな女で、大人になってからも、ウリはやるはヤクはやるはで、オジャル丸の薄井幸代よりも不幸な女です。
(幸代は単に暗いってだけだし、マンガを描ける特技はあるしの)
ヤクザの下っ端だったイサオと知り合って内縁の関係になると、イサオはヤクザ辞めてプーになるし、怒るとちゃぶ台ひっくり返すし、けど幸江は今が幸せだと思ってるらしい。
幸江と同じ位不幸な境遇の熊本さん(中学の同級生)もいい味出してます。

文字で説明するよりも、実際読んでもらった方がいいのよね〜。
ただ、絵がそっけないサラリーマン四コマのような絵柄なんで、入り込めない人もいるかもしれんけんど。

幸江や熊本さんの子供時代を読んでると、母から聞いた戦後すぐの日本の話を思い出します。
殆どの人がほんとに貧乏だったって。
そういう事や幸江や熊本さんに比べると、裕福ではないけど(どちらかってーと貧乏?)、衣食住困らず趣味も何とか楽しめるおいらってそんなに不幸じゃないのかなぁ…。

ふと思ったけど、自虐の詩が十二国記のとある要素と重なって来たジョ。
何となくだけど。
「虐げられる」がキーワードじゃな(遠甫か、わしは(^-^;)。
自虐はそれが笑いに転じ、十二国は悲劇に転じた、っすね。

おっ、上手く話しが締ったような気がする。


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