2004年04月17日(土) |
機械仕掛けの蛇奇使い Clockwork Serpents/上遠野浩平 |
++ 十七歳の僕は皇帝。でも自分が偉いという気は全然しない。綺麗で優しい婚約者のユイ姫ともぎくしゃくする毎日。伝統と義務ばかりが重たく、自分がしたいことも見つからない……そんな僕が憧れるのは、かつて全世界を相手に戦ったという美しき性別不明の戦鬼ルルド・バイパーだった。だがその子供っぽい憧れが、やがてこの世のすべてを揺るがす混乱に発展しようとは――詠韻文明と呼ばれる奇妙な物理法則に支配される幻想の世界に滅亡と崩壊の陥穽が開くとき、若き皇帝は決断を迫られる……絢爛たる魔人と、容赦なき機械と、揺れ動く少年少女の心が毒蛇の如く絡み合う、これは無為無策な夢物語の顛末――。(表紙折り返しより) ++ 新しいシリーズものかと思いきや、1冊で完結しているみたいでした。 が、やはり上遠野氏。他作品と連動しています。 最後の章の少女ってイマジネーターですよね。 と考えると、これはブギーさんとか、ナイトウォッチシリーズと繋がってるわけで、きっとルルドもジャグヘッドも虚人との戦闘用に前世紀から残されていたものなのでしょう。 ところでこの本、表紙がセクシィすぎて、一瞬手を退いてしまいました。このルルドの身体に巻きつけられている布、なぜ解けないのか…
『己が尾を呑む蛇の螺旋が至る道程、生死の果てに見る夢は、矛盾の閉塞か、虚無なる無限か』
上遠野浩平:機械仕掛けの蛇奇使い Clockwork Serpents,p.300,メディアワークス.
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