2003年10月30日(木) |
デウスの棄て児/獄本野ばら |
++ 不義の子として生まれ、神に弄ばれ、棄てられ、絶望し、私は神を見限りました。 神に背きし者、その名は「天草四郎」――(帯より抜粋) ++ ひさびさの野ばらさま作品。ブランクがあると、よけいにこの方の作品の異質さというか特質さが際立って感じます。 これは、3万人以上の切支丹が殉教した島原の乱(「16歳でみんなの大将天草四郎」って語呂で年号覚えましたよね)の、天草四郎のお話。 日本史の1ペィジが、さすが野ばらさまって感じの解釈でこんなにも背徳的かつ耽美に…。こんな日本史だったら、選択する生徒も増えるに違いないです。
天主(デウス)よ。私は貴方に勝ったぞ。万物を創りし全能なる天主よ、貴方はさぞかし孤独であろう。淋しかろう。(略)哀れだな、天主よ。
獄本野ばら:デウスの棄て児 A Child Abandoned by Deus,p.174,小学館.
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