2003年08月26日(火) |
十二国記シリーズ/小野不由美 |
読み終わったものを読み返すことの少ない私が、何度も何度も読み返しているシリーズがこれ。 文庫本、なぜか2冊ずつ(しかも講談社文庫、X文庫WHそれぞれ)、つまり計40冊(魔性の子を入れれば42冊)持ってます。 それを今回、シリーズ一気読み。 ああ、やっぱりいいです。
シリーズは以下のとおり。
魔性の子(新潮文庫) 月の影 影の海(講談社文庫版上下巻、WH版上下巻) 風の海 迷宮の岸(WH版上下巻) 東の海神 西の滄海 風の万里 黎明の空(講談社文庫版上下巻、WH版上下巻) 図南の翼 黄昏の岸 暁の天(WH版上下巻) 華胥の幽夢
十二国記シリーズは、十二の国と十二の王と十二の麒麟の話。 麒麟は天啓によって王を選び、王は仁道をもって国を治める。 麒麟は天意と民意の象徴であり、その慈悲によって王を補佐する。 王が道を誤り、民を虐げると麒麟は失道の病に罹り、国は傾き、やがて麒麟・王は身罷る。 という世界が舞台。
私は、初めて読んだシリーズが「魔性の子」だったためか、シリーズ中のいちおしキャラは泰麒蒿里(高里要)。これは1○年間不動。 なので当然、好きな話も「風の海 迷宮の岸」。次いで「黄昏の岸 暁の天」。 「風の海 迷宮の岸」は、王を選ぶまでの泰麒の苦悩する様子が痛いし、王を得た幸せな姿も、今後泰国に訪れる悲劇を思うと痛々しいです。その悲劇後の痛々しい姿が、「黄昏の岸 暁の天」の泰麒。 新刊で、泰麒と泰国が救われることを切に望むのみです。
「(略)王のそばにいることが嬉しくない麒麟はいないし、王と別れることが辛くない麒麟もいない。王と麒麟は離れてはならないものなのですから」(小野不由美:風の海 迷宮の岸,p.338,講談社)
「(略)麒麟が主と離れることは、とても不幸なことです。王がお側にいなければ生きていられないのですもの。国のため、民のためにあるのは、むしろ王です。私たちはその王のためにあります。王のものなんだもの……」(小野不由美:黄昏の岸 暁の天,p.334-345,講談社)
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