2003年03月25日(火) |
お伽噺のように ドルチェ・ヴィスタ/高里椎奈 |
++ 希望は、失望の後ではなく、絶望の先に仄かに見えるもの。約束の地は、求めても届かず、立ち止まっても訪れず、ただ全力を振り絞って歩き続けるうちに、ふと刹那、立ち現れ、通り過ぎなければならないオアシスのようなもの。世にも残酷で温かな寓話をお届けします。(裏表紙より抜粋) ++ シリーズになりそうだとは思っていましたが、まさかなるとは思わなかったものNO.1のシリーズですね。こういうかたち(短編集)でシリーズになるのですね。どうやら、も1冊でシリーズは完結のようです。いつかな…。 前作はファンタジィでしたが、今回はもっとシュールなかんじ。確かにお伽噺ってこんなかんじですよね。人間のきれいなとこも汚いとこも悲喜交々(←遣い方間違い)、ただのハッピィ・エンドにはなりません。 この短編集は3つのお話が入っているのですが、第2話の「幻日、残照」がいちばんです。修理やさんのバイト高校生のお友だちがとってもいい雰囲気なのです。
「早く気付けよ。恋ってのは、自覚した瞬間がスタートだ。対して、知らぬ間に芽生えて育てているのが愛なのさ」 「言ってて恥かしくならない?」 「全然」(「幻日、残照」)
高里椎奈:お伽噺のように ドルチェ・ヴィスタ,p.139-140,講談社.
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