2002年12月21日(土) |
海賊島事件 the man in pirate's island/上遠野浩平 |
事件シリーズ第3弾。久しぶりです、このシリーズの新刊。 巨大組織ソキマ・ジェスタルスは3代続くムガンドゥ一族の束ねる海賊。世界最強を自負する帝国の魔導艦隊が海賊に要求するものは、密室殺人の容疑者引き渡し。一瞬即発の膠着状態を仲介するために、レーゼは依頼を受けた。海賊と帝国の仲介の行方、そして殺人事件の真相は…。 上遠野氏の物語はファンタジックなのになにかこう…死生観みたいなものがあるんですよね。これはこのシリーズにもしかり。 今回の主人公はもうずばり、イーサー・インガ・ムガンドゥ三世。EDもかっこよくはあるんですが、三世の毒気にはかないませんね。年齢不詳だし、ボーイさんになりすましてるし、殺しても死なないし、不遜で頭キレて、もう本当にすてき。最後のシーンのレーゼになりたいです。 さて、次は“禁涙境事件”ですか。いつになるのでしょう。期待しないで待ってます。
「私は――いや、僕は」 少年のような表情になって、彼はぽつりと囁くように言う。 「僕が、なにものなのか知りたいんだよ――」
上遠野浩平:海賊島事件 the man in pirate's island,p.293,講談社.
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