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2002年12月29日(日)   さみしさの周波数/乙一


短編集です。
「未来予報 あした、晴れればいい。」、「手を握る泥棒の物語」「フィルムの中の少女」「失はれた物語」が収録。
「失はれた物語」は書き下ろし。
ファンタジーあり、ユーモアあり、ぷちホラーあり、涙ありの短編集です。
乙一氏らしいというか、乙一さんの世界ですね、どれも。
特に「手を握る泥棒の物語」はご本人も言われているように、のりのりで書いた雰囲気があって面白いです。
ところで、乙一氏、あとがきで「ちなみに、小生の新作はこれを最後に当分、発表されない予定である。そのうち小生の死亡説が流れることを請け合っても良い。」なんて書かれていますが、本当にしばらくお休みされるんでしょうか。
だとしたら、待ちきれない私は近いうち、ハードカヴァ「GOTH」に手を出してしまいますね、きっと。



僕たちの間には言葉で表現できる「関係」は存在しなかった。ただ透明な川が二人の間を隔てて流れているように、あるような、ないような距離を保っていた。(「未来予報 あした、晴れればいい。」)


乙一:さみしさの周波数,p.62,角川書店.






ゆそか