A Will
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桜が見たくて、夜見に行った。
誰もいない、満開の桜。
風が強くて、吹かれながら、 ふと、このまま死んでしまっても良い、と思えた。
3分後には変わってしまいそうな思い付き。
だって、桜の下だもの。
なんとなく、この世にいなくなった男の子に 想いを馳せた。
会えるなら、何もかも捨てて、 その胸に飛び込む気でいたわたしは、 もう、いない。
けど、あるいは、 やっぱり飛び込んでしまうかもしれない。
会いたくて、会いたくて、 夢でなんか会いたくなくて、
永遠だった、と思ってる。
もうよく思い出せなくて、 大人びて見えた彼。
けど、今、思えば、 息が詰まりそうなほど、あどけなかった。
やっぱり、死んでしまっても良い。
思い残すことだらけで、 未練だらけで、 やり残しばかりだけど。
後悔も、ぜんぶ、置き忘れて、
ふっと、息が止まってしまえば良いのに。
春死なん。
うん。わたしも、息が止まってしまうなら、 それは春が良いわ。
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