A Will
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今まで、男の人のアドレスを消すなんて、 そんなことしなかった。
それも、意識的な消去なんて。
メールアドレスを消した。
番号は、仕事の関係で消せなかったけれど、 私用で電話することなんてないから構わない。
メールを出来ない。
そういう状況にならなきゃ、 わたしは、寂しいなんて理由でメールするから。
返信に期待して、 バカバカしいほど待つから。
いやだ。
待つのも期待も、 それらが報われてしまうことも、 まったく報われないことも。
どっちもいやだ。
女って面倒臭いのよ。
わたしが言ったときに、彼は頷いていた。
きっと、彼の思う面倒臭さとは違う。
困らせたりしなかった。 煩わせることなんて、しなかった。
だから、彼は言う。
嫌いになんかなれないでしょ?
って。 たかを括って、笑う。
そうだよ。 嫌いになんかなれないから。
でも、好きなまま離れることなんて簡単。
面倒臭いのよ、女って。
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