A Will
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2006年02月15日(水) 涙がでちゃうんだ。

どこに行ったの?

起きて早々に、つぶやいた自分の言葉にぞっとした。



乱暴に掴まれたのを覚えてる。
髪の毛でも、手首でも、とにかく力任せにぎゅっと。



不思議だったのは、それがちっとも痛くないこと。
あんなに乱暴だったのに、一度も苦痛だと思わなかった。



そうだ。

思い出すたびに、あの冷たい手は、奇跡なほど優しかった。








どこに行ったの?

磁石が付いてるとしか思えない吸引力で、ぺたりと。
あの感覚。

忘れていなかったんだ。と思ったら、消えてしまいたくなった。





助けて。と次いで漏れそうな言葉に。

わたしは、自分の冷たくなった指で必死に口を押さえた。





涙は零れなかったけれど。


行き先のないのは、ため息も想いも、一緒なのだと、
妙に悟った気分になって、白く見えた息を睨むしか出来なかった。






奇跡だったのだ、と思い込む。

あの冷たさと、それと裏腹な優しさに。



わたしを掴むあの手は、きっと幸せだったのだろうと。






だからきっと。

泣き出してしまいそうだと、思うのは間違いであって欲しい。


まつり |MAIL

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