A Will
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2006年02月14日(火) 欲しければあげるわ。

その日、急遽入ったバイトのせいで
わたしはコンビニに駆け込んでとりあえずチョコレートを買った。

バイト先の先生たちに渡すために、仕方なく。


スーツを着て、つまらなそうにチョコレート買うわたしを、
店員さんは「大変ですね」と言いたげに一つ一つ丁寧に袋に入れてくれた。




少しだけ早めにバイトに入って、
先生の数とチョコレートの数を瞬時に計算して、
不足がないことに微かな安堵を覚えて、
生徒に対する顔と同じ飛び切りの笑顔で、
内心では死んでしまいそうにつまらない思いをしながら、
「バレンタインデーですので」と言って渡してまわった。

義理すらないような相手に。

これは「何チョコ」って言うのかしら?と笑い出しそうだった。


けど良いの。
嬉しそうだったから。





バイト後は、ホテルにいた。

泣いてしまえるなら、どんなに良いかと思って、
それでも沈痛な顔しか出来ない自分を憎らしいと思って、

そうして、ただ溺れたかった。




大きな声を出しても良いし、大げさなほど動いても、
あの人はただ優しい。

優しくしないでって言ったのに。
乱暴なくらいがちょうど良いのよっていったのに。


そんなことありえないのを知っているから。




結局3回。

果てたのはわたしじゃなくて、あの人だったけれど、
とてもとても傷つけて安心して、それでも好きだと言ってくれるあの人を
もっともっと傷つけて、

そんなまともじゃない人間関係。




わたしの選択肢に、未来はないのだと唐突に気づいてしまって、
だから、ただ申し訳なくなってしまった。



朝、起きたときの自分の言葉が未だに許せなくて、
傷つけたい心境。わたしを。わたしが。











知らない男と寝るにしても、労力だけが必要だから、
こんな風にもっと面倒くさい相手を選んだあたり外れないなって思う。



バカなのだ。わかってる。



とても好きなのに。
愛してるっていえるほどなのに。


どうして、この人じゃダメなんだろう。






欲しいのは、ひとつだけ。


バカみたい。


まつり |MAIL

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