A Will
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何故?と聞くまでもなかった。 それでも、わたしは聞きたかった。
取り返しのつかない、その言葉を待っていた。
鼓動が早くて、痛い。
わたしは、その日、繋いだ手を、何もかもごと憎悪して愛しかったのだと、 まだ大きなキャンディーを噛み砕く。ばきり。
優しい笑顔が。 愛しいと思える空間が。
苛むのは、何故?
どうしたら良いのか、なんて本当は1番知りたいの。
だから申し訳なくて、だけどコレしか知らなくて、こーゆー風にしか振舞えない。
ガラス越しで。直視できなかった靴がある。 綺麗で、どこにでも行けちゃいそうな気がして、でも届かなかった。
あの靴は、わたしを見つけなかったし。 わたしもガラス一枚すら破れなかった。
悲しいけど、涙はでなかった。
そーゆーものなのだ、と何かで諦めた。
アリストの加速音にうとうととしながら、温めてもらった左手。 初めての経験までさせてもらって、 まったく、本当にお姫様のような扱いを受けた。
ゆっくりと、時間の過ぎるのを感じて、多分、これは、 好きなのだろう、と若干うんざりと思ったりしたのだ。
がりがりと、口の中で甘く砕けるキャンディーは、 きっと何もかも知っているんだろうな、なんて、そう思うよ。
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