A Will
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2005年11月08日(火) |
You are hero always. |
今すぐ会いに来て、抱きしめて。
声を聞いたら言ってしまうと思って、携帯電話を握り締めた。 他愛もないメールのやりとり。 ただ、一言『声が聞きたい』なんて送ったら、きっと電話はかかってくる。 声を聞いたら聞いたで、わたしはきっと上のせりふを言うだろうから、 そうしたら、君はきっと思いがけないほどのスピードでわたしを抱きしめに来る。
なにがあっても、だ。
君はヒーロー。いつだって。
元気にしてるの?と心配そうなメール内容に、久しぶりに泣きながら嘘をついた。
元気だよ。そっちは?
会いたい。会いたい。会いたい。あいたいあいたいあいたいあいたい
今、ラーメン食ってる。カップめんだよ。だせー俺。
のん気な君。
夜に食べると太るよ〜。
のん気そうなわたし。
けど。不穏な静寂を破るのはいつだって君の役目だ。
しばらくして、君から電話がかかった。 静かな部屋でバイブする携帯のディスプレイをしばらく眺めた。
『もしもし?元気ー?』
元気元気ってさっきメールしてたじゃんどうしたの電話びっくりしたあははそうだねもう寒いよね。
『ってかさ。お前こーゆー夜嫌いでしょ?泣いてるかと思った』
君は。本当に絶妙に最悪のタイミングを計ってるみたいだね。 感心した。
えぇ?泣くわけないじゃんていうかそこまで暗くないよたぶん…あごめん暗いですすごくあははは。
『なら良いんだけどね別に。心配とかじゃないから!』
ねぇ?ありがとう。
『どうしたしまして』
会いたい。会いたい。会いたい。 会いに来て、抱きしめて、1人で眠らせないで、怖い夢を見るのはもう嫌なの。
これ以上は限界だった。 一瞬でも気を緩ませたら、きっと嗚咽がこぼれてバレちゃうと思った。
眠いから、寝るね。 『あーそう?分かった。おやすみ』 うん。おやすみ。 『まぁ、俺はまだしばらく起きてるけどね』 そう?じゃぁまた今度。
しばらく起きてるから、いつでも電話でもメールでもしていいよ。 暗に言われたその紛れも無い優しさに。
本当に久しぶりに、声に出して涙を流して泣いたんだ。
君と繰り返されたぎこちない他愛も無いやりとり。 いつもどおり。問題ない。大丈夫。
君の優しさに泣いたわけじゃない。
秋の長夜が。綺麗だと思ってしまった星空が。うっかり開けた窓から入った冷気が。
ちょっと切ないな、と思ってしまっただけなんだ。
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