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2019年10月31日(木) ■ |
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Vol.887 秩父徒歩巡礼・最終日 |
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おはようございます。りょうちんです。
2年前に秩父徒歩巡礼を始めた時も、半年前に再開した時も、本堂で参拝する際に心の中で願うのは自分のことではなく、いつも「少しでも母の病気が良くなりますように!」だった。信仰心など微塵もない俺は、神様も仏様も普段は信じていないくせに、手を合わせて拝む時だけは母と一緒に過ごせる時間が少しでも長くなればいいと、ただそれだけを無意識に祈っていた。母がいなくなった今、俺の願いが叶ったのかどうかはわからないが、そんな気持ちを常に持って俺は秩父の街を歩いていた。母の死のせいでしばらく間が空いてしまったが、今日は秩父徒歩巡礼・最終日のことを書こうと思う。 5日目となる最終日も俺らは朝早くから歩き、1時間程で33番の菊水寺に着いた。八重桜のピークはすでに終わっていたが、しばし休憩を取ったあと、いよいよ結願が待つ34番の水潜寺へと向かう。だが水潜寺はおよそ16Kmも離れている上、途中に札立峠という険しい峠道を通らなければならない。熊も出没すると看板が立てられた峠道を、俺らは疲れた体を奮い立たせて歩を進めた。そう簡単には結願させてくれない。最後の最後で強敵現る、なのだ。 山の中の険しい道を4時間程歩き続けて、俺らはとうとう水潜寺に到着できた。話好きの住職に最後の御朱印をいただき、納経帳のすべてにページの筆入れが終わる。秩父の霊場を全部コンプリートできたと感慨深くなることはなかったが、達成感は十分に感じることができた。 結願はできたものの、ここから約7km離れた最寄り駅まで戻る方法は限られている。1日に数本しかないバスをあと2時間待つか、それとも歩くか。考えたあげく、俺らは後者を選んだ。足はすでに棒になっていたが、2時間あれば楽勝で7kmは歩ける。こうして俺らは結願後もさらに歩き、この日の歩行距離は概算で約27km、歩行時間は約8時間半だった。 途中ブランクを空けてしまったが、約150kmの行程を5日間かけて歩いた秩父徒歩巡礼は、俺にとってとても思い出深いものになった。でもまだこれは、いつか夢見ている四国徒歩巡礼への準備でしかない。そう母に誓った。
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