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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2017年12月30日(土)
Vol.862 立ち続ける覚悟

おはようございます。りょうちんです。

年明け早々、新年会を兼ねて高校時代のクラス同窓会が開かれることになった。当時の担任だったT先生にも声をかけると、すでに定年退職されているが今も元気で毎日気ままに過ごされているT先生も、ぜひ参加したいとおっしゃっているそうだ。
T先生に、俺はずっと謝罪したいことがあるまま今に至る。3年間ずっと英語の担当教科だったT先生の授業は、自由奔放な学校生活の中では珍しく厳しかった。予習してなかったり質問に答えられないと、「お前、立っとれ!」と言われ授業が終わるまで座らせてもらえなかった。だからT先生が3年時の担任になることが決まり、俺はひどく不運に思ったものだ。今思えば授業にやる気がなかった俺に問題があるのだし、先生も生徒を立たせる以上のことは何もしなかったのだから、そんなに毛嫌いする必要もないのだが。あの頃は、そんなT先生があまり好きではなかった。ただ卒業式の日、先生に花束を渡すと号泣して俺らの門出を祝ってくれたのを見て、先生を誤解していたかしれないと俺は胸を打たれたのだった。
それから数年後、大学生になった俺はバイト先のコンビニで偶然T先生に会う。俺は店員、先生はお客さん。なのに俺はあの時、なぜ先生にあいさつできなかったのだろう。「T先生、ごぶさたしてます。相変わらずお元気ですか?」となぜ言えなかったのだろう。他のお客さんと同じように、不愛想に「ありがとうございました…」と言うのが精いっぱいだった俺。高校時代は劣等生で立たされてばかりいた俺自身に、浪人して三流大学に入りコンビニでレジを打つ俺自身に、コンプレックスを抱えていたからだろうか。その日の先生への後悔を胸に秘めたまま、俺は今日に至るのだ。
年明け先生に会ったら、襟を正してちゃんと謝ろうと思う。あの日ことなど覚えているかわからないけど、少なくとも高校時代にはまともに言えなかった感謝も伝えたい。先生があの頃と同じように「立っとれ!」とおっしゃるなら、俺は会が終わるまでずっと立ち続ける覚悟はできている。