LORANの日記
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2004年09月14日(火) アメリカ大統領選挙の選挙人

来年早々の大統領就任式を控え、今年年末の一般選挙に向かってアメリカでは選挙人の選出が大詰めを迎えています。

民主党と共和党のどちらかがその州のすべての選挙人を獲得するという方式は数々の問題を起こし批判されながら、未だに旧態依然として実施されています。

 米国憲法は、一七八七年に制定された、世界で最も寿命の長い成文憲法です。ところが、これには、国民の選挙権を明文で保障した条項はありません。人種や肌の色で投票権が制限されない(修正一五条)などの間接的な規定があるだけです。憲法二条は「各州はその州議会で定める方法により…選挙人を選任する」と定めています。連邦制のもとで、大統領選には各州が責任を負うことになっています。

 では、なぜ「選挙人」による間接選挙なのでしょうか。

 米エール大学のロバート・ダール名誉教授は、この制度の立案者が、「人民は手に負えない暴徒」だから「人民による支配に抗する憲法上の障壁」がいるという愚民思想を抱いていたと指摘しています(『アメリカ憲法は民主的か』)。

 政治に疎い一般国民に直接選挙権を与えると、どんな結果になるか分からない。だから分別のある大統領選挙人を選ばせる間接選挙にしたというのです。こうして「アメリカ版の選出された君主」(同書)である米大統領の選挙方法が決まります。

 その後、二百年以上がたち、比例代表制の導入など選挙制度の改革が世界で進んだのに、米国は自国の政治モデルに固執したまま、今日に至っているというわけです。

選挙投票をするためには、事前にその選挙に投票する登録手続きが必要です。
日本のように有権者へ自動的に投票所の入場券が送られてくることはありません。

アメリカの庶民と大統領の間は想像以上に遥かに遠いことが理解できます。


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