non-fiction.
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halu



2009年02月14日(土)
喪失する恐怖。

「終わりにしよう」のことばが、
私のなかにすとんと落ちて、
私はそれを探すように、
斜め下に視線を泳がせる。
想像のなかで何度も想像したそれよりも、
現実のことばは重くあっけなく。

抵抗した。
矛盾していると思っても、
嫌だった。
壊したくない。
けれど、
離れたくない。
優しさを優先するのなら、
私は彼から離れたほうがいいと思った。
なのに。
結局私は、
自分が可愛くて、
自分を甘やかす。

そばに居たい。

最後だから。
でも、
もしもこれが最後ではなくても。
彼を失う怖さは、
今までに感じたことのないもので。

失うことは怖い。
そばに居られたらと思う。
いつか、
どうしようもなく離れてしまう日まで。
それまで、
どうか、
そばに居られたら。


私の左薬指には指輪がある。
まだある。
まだ、
存在している。

傷つけられる恐怖を、
生きている限り避けられなくても。
傷つける恐怖を、
生きていく限り避けられなくても。

もう一度、
本当に信じてみようと思った。

「そばにいよう」

その「結論」が、
独りよがりでなければいい。
そのことばが、
ふたりの共通であれば良い。


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