non-fiction.
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halu



2009年02月10日(火)
■2004年10月12日。

ものが食べられなくなった。
水も飲めなくなった。
あまりに突然で、私は苛立っていた。

予兆はあった。
夏ごろから、私は週に3、4回嘔吐を繰り返していた。
躰の不調はなく、
ただ吐きたいから、吐いていた。
そのとき付き合っていた年上の恋人とも、
上手くいかないことが多かった。
彼は私のことを真剣に愛してくれた。
けれど私はそれをそのまま受け入れることは出来なくて、
愛される自分を否定し続けていた。
私は乖離を起こすようになっていたし、
リストカットの回数も増えていく一方だった。


2004年10月12日。
曇り空は重く、雨が降っていた。
禁煙の談話室でたばこを吸っている上級生に、
私は苛立ちからけんかをふっかけた。
その場に居た講師のおかげで事なきを得たけれど、
私はひどい興奮状態で、
人前なのに涙が止まらなかった。

帰り道、
そのとき入っていたサークルの上級生ふたりと歩いているとき、
私は横道にひとり入り、
手首を切った。
そして、そのうちのひとりに、「たすけて」と、メールを送った。

血は道路を汚し、
服を汚した。

どうやって帰ったのか覚えていない。
つれて帰ってもらったような気がする。
自力で帰ったような気がする。


雨が降っていた。
寒かった。


翌日から、起き上がることすら、出来なくなって、
学校に行けなくなった。
固形物はほぼ何も食べられなくなり、
食べてもすべて吐いた。
液体も口に含む程度しか飲めなくなった。
少しでも量が多ければ、
それすらもすべて、吐いた。

体重は1週間足らずで7キロ強落ちた。
私の手首には常に、
たくさんの生傷があった。
ごみばこのなかはいつでも、
赤いティッシュで埋まっていた。


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