halu
17歳の正月。
祖母の家に帰省していた夜、
母親にリストカットがばれた。
どういう経緯だったかは覚えていない。
けれど、
「どうしてそんなことをするのかわからない」
と、母親は言った。
「どうして?」
に類似したことを何度も聞かれたけれど、
私はなんにもこたえられなかった。
そのあとしばらくして、
私は精神病院にいくことになった。
精神保健福祉センターに電話をした母が、
とりあえず病院にいくことを勧められたから。
「病院にいったほうがいいですよ」
電話のひとはそう言ったという。
連れて行かれた病院は、今まで行ったどの病院よりも綺麗だった。
生まれてからこれまでのことを話した。
私と、母親と。別々に。
安定剤が処方された。
妙な気分だった。
私はそのときから「病人」になった。