non-fiction.
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halu



2008年12月13日(土)
■父親。

父親は、よくわからない人だった。
機嫌がいいときは、
とても穏やかで優しいけれど、
不意に怒り出して、
ぼこぼこに殴られる。
兄弟3人とも、
父親に殴られたことがある。
同じ事をしても、
怒られるときとそうじゃないときがある。
だから、
避けようがない。

父親は怖かった。
殴られる回数はそんなに多くなかったけれど、
怒鳴られると、
反射的に涙がこぼれた。

物にあたって、壊れる音が大嫌いだった。
たまにする母親との口論も、
大嫌いだった。
私には無関係に兄弟が殴られている、
その音も、大嫌いだった。
怒ってわめく声なんか、聞きたくなかった。

父親とちゃんと話をするようになったのは、
高校を出てからのほうが断然多い。
子どものころの、
父親との記憶は少ない。

家族旅行をしない家だった。
というより、
ほとんど家族で団体行動をしない家だった。
家族旅行にいったのは、
小学校低学年のときが、
確か、最初で、最後。
友達が、家族で旅行に行く・キャンプに行く、
といっているのを、
羨ましいような、珍しいような、
自分とは無関係のものとして聞いていた。

父親はちゃんと働いてくれる。
高校を卒業してすぐ働き出した、
技術系の叩き上げで、
大学なんていかなくてもいいといったけれど、
行かせてくれた。

私が精神病院に通院を始めたころ、
母親と同様に、おそらくは父親も戸惑っていただろう。
父親は、
私の通院や病気に対して、一切触れてこない。
怖がっているような、
関わるのを避けているような。
そこのあたりは、よくわからない。

私は多分、ちゃんと父親の娘だけど、
父親にとって、
私はどういう存在なのだろうか?
面倒は見てくれた。
でもそれは、
義務感だろうか。世間への顔向けだろうか。

本当は、
自分の知らない気質を抱えた私には、
関わりたくなんか、
なかったんじゃないだろうか。


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