自分を傷付けることしか知らなかった日々を思い出す。其れが唯一の生き延びる方法だと信じて疑っていなかった。今はと言えば、自分を傷付けることさえも恐れるようになってしまった。情けないというか、不甲斐無いというか。こういう「弱さ」も私の望むところではないというのに。 他者と視線を合わせることの、何と恐ろしい事だろう。 たとえ傷付いていても。傷の数が多いほどに。前へ進めると思っていた。 そういう無茶が通用する時期と、通用しなくなる時期と、知恵を使わなければ生きていけない時と、無謀だけが道を開ける時と、私は、様々な時期を見誤っていたのかも知れない。そうして今猶、見誤っているのかも、知れない。
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