強くなりたいなんて願わなければ良かった。
そう言った人がいて、私はずっと、長い間、強くなりたいと願っていたし、強く在りたいと思っていたし、そうあるべきなのだと信じてきたけれど、成程、今更になってやって、やっと、其の意味が解った気がする。こんなことになるのなら。強くなりたいなんて、願わなければ良かった。でも、其れでも私は、強く在りたいのだ。ずっと。誰かに守られるくらいなら一人で死ぬことを選ぶという事を、信じて疑わないのだ。 他者に自分の弱みを見せられる人間は強いのかも知れない。他者に自分の弱みを見せられない人間は弱いのかも知れない。それでも、私は強く在りたいと願うだろう。他者に弱みを見せるくらいなら。誰かに守られながら生きるくらいなら。
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