昨夜、赤い満月を見た。月は好きだけれども、ネオンの光を反射させたあの赤い月は、いけない。不吉な塊が膨らむばかりだ。
多分、本当は理解している。何時終わるか知れないものを抱え込んでいて、其れを抱え込んでいるがゆえに壊れているのだとしたら、其れはもう諦めた方が良い。期限付きのものを抱え込んでいるのなら、期限が来れば壊れているのは治るかも知れないけれど。無期限は好くない。だから私はきっと、諦めて、もう何もかも投げ出すくらいの勢いで、開き直るべきなのだ。なのに。嗚呼、如何して其れが出来ないのだろうと、私は苛立つ。いけない。好くない。嗚呼、もう。堂々巡りはもっと好くない。
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