本日はタルトケェキを食べに――其れが一番の目的かと問われると非常に答え難いのだけれど――大通へ下りて、夜は一ヶ月振りに英会話教室へ顔を出しに行く。――四週間の英語漬けの日々がどれ程英語力の向上に繋がったかなんて私には判らないけれど。取り敢えず土産話第一弾。
バスのおはなし。 私が四週間だけ滞在した北米大陸南西部太平洋岸港湾都市には幾つかの公共交通手段があって、其の中の一つが、バス。バスなんだから極々普通の、あらかじめ定められた路線を、予定の時刻通りに走る、何の変哲も無い、ただのバスです。料金は乗るときに払います。釣銭が出ない上に両替機も無いので小銭必須。もしくは通称「バスパス」と呼ばれる回数券などがあると便利。私はこれを使っていました。バスだけじゃなくて「スカイトレイン」なる地下鉄とモノレールを足して2で割ったような乗り物と「シーバス」なる短距離フェリーみたいな乗り物でも使えるチケットです。ちなみに他には電車がありました。電車は「バスパス」使えないのよ。不便。 「バスパス」が使える三つの交通手段は地域を三つに分けて、其々第一ゾーン、第二ゾーン、第三ゾーンと名付けられて、ゾーン毎に料金が決まっていました。1区間なら2ドル、2区間なら3ドル、3区間なら3.50ドル、みたいに。同一ゾーン内なら1区間、ゾーンを跨ぐと2区間、第一ゾーンから第三ゾーンまで行くと当然三区間分の料金が掛かります。で、チケットは乗車した時刻から90分間有効。制限時間が印字されるので其の時間内は何回乗り継ぎしてもOK。チケット失くすと大変よ。
バスのおはなしなんだからバスのおはなし。 降り方。バスステーションには名称があるのだけれど、バスストップには名称が無い。「BUS STOP」って書いてあるだけ。多くの国がそうみたいね? だから自分が降りるべきバス停は景色を覚えて判断。降りるとき。……押しボタン無いよ……って、私は途方にくれました。如何しよう。窓には何やら変な紐がぶら下がっているし。此の紐は何?――観察する事暫し。バス前方には「NEXT STOP」のランプが点灯したり、しなかったり。点灯するとバスは停車するみたい。……嗚呼!と気付くのにそれほどの時間を要する事は無いでしょう。はい、窓にぶら下がっている紐が、日本で言うところの「押しボタン」の代わりです。紐を引っ張りましょう。そうするとピコンと言って(本当にそのような音がする。ピコン)「NEXT STOP」が光ります。摩訶不思議。ていうか、原始的。
平日は毎日バスで30分かけて大学へ通っていましたから、ちょっとしたカルチャーショックでした。
今日のタルトケェキは苺。美味。
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