長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2004年12月11日(土)

 例えば或る一つ一つの小さな事に恐怖する。
 後ろの席に坐った人の大きな声。
 向かいに立っている人の鋭い視線。
 身近な人のストーカー染みた行為。
 何処からとも無く漂う煙草の匂い。
 前触れ無く震え出す携帯電話。
 滑降する鴉。惚け顔の一匹鼠。崩れた本の山。
 坐っている私の横を颯爽と歩き去って行く人が起こす風でさえ、私にとっては完全なる恐怖の一つだ。

 気分が悪いといって無断欠席する友人に対し、三十八度あっても登校した私を慰めて欲しいのでも憐れんで欲しいのでもない。
 誰にも知られることが無いと理解しているからこそ、こういう場所に書き残したくなるだけ。
 私は自分自身の状態を他の誰よりも適正に理解していると信じているし、制御し、また甘えは許されないのだと知っている。

 愚かだとは思わないか?
 莫迦な惚気話を大声で暴露する隣人を。
 同じ行為を数え切れぬほど繰り返し誤る隣人を。
 自分の存在を誇張するかのように声を張り上げる隣人を。

 土曜日は不快だ。何も、したくない。










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