明日のことを考える。或いは、先のことを考える。之からのこと。未来、と言う程大仰なものではない。もっと、近い先のこと。
研修旅行中、初日、院生と三年生のSさんとYさんと夕食を共にしたのだけれど、其の時Yさんに聞かれた。ストレス、如何遣って発散してる? 私は、何時ものように鸚鵡返しに問う。Yさんは如何遣って発散してるんですか? Yさんは、古本屋で山ほど本を買い込んで、読書することが、ストレスの発散法らしい。そうして私は、読書でストレス溜まることは無いんですか、と笑って問い、Yさんは、古本を買うことがストレス発散だから、と笑う。其れで、此の話題は終了。……だって、そうでしょ? 私にストレス発散法なんて無いんだから。
明日からゼミの申し込みが始まる。Sさんから強い勧誘を受けたので取り敢えず比較文化のH.0.先生のところへ行ってみようと、朧に考えている。三年のゼミは卒論も考えて取らなければならないわけだし、此の先生なら遣り甲斐があるかも知れないと、思っている。
ストレス。此処には何度も書いてきたように――私には、そんなものの発散法なんて無い。溜め込んで、何時か破裂するだけ。破裂。何度か、そうさせたこともある。意図的に破裂させる時は兎も角、意図せずに破裂してしまった時は、収拾つかないけれど。 定期的に、或いは毎日と言っても良いけれど、高校時代のように腕に刃物押し付けるだけで、多分破裂は避けられるのだろう。けれど。今の私に、其れが出来るだろうか。
何度も、多分本当に幾度と無く数え切れないほど、考えてきたこと。何時か――何時か、そう思い、叶わぬ夢を信じ続けてゆく愚かさ。私は、自分がどれ程傲慢かを、多分知っている。だから、抑えられる感情もある。
研修旅行から帰宅して次の日、私は破裂した。でも、其れが意図したものなのか、そうではなく無意識のうちだったのか、今でも私には解らない。解らなかったから、私は、収拾のつかないまま眠りに入ったのだ。
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