2005年05月01日(日) |
所得税の確定申告はお早めに |
あらかじめ書いておきますが、僕は税務署の関係者ではありません……。 (注釈:本編最初の公開は3月1日でした) ライブチャットのコラムになぜ確定申告?と思われるかもしれないけど、チャットレディという仕事はれっきとした「個人事業」であって、年間の収入(所得)に応じて、確定申告をし納税する必要も当然のことながら生じてくるのである。知らなかった? 注釈:サイト側で源泉徴収している場合は、当然のことながら確定申告の必要はない。源泉徴収を行っているサイトがどれくらいあるのか、きちんとそれに基づいて納税してるか否かについては、とんとわかりませんが……。 ----国税庁ホームページより抜粋------ ・所得税の確定申告をする必要がある方 (1) 事業所得や不動産所得などがある方の場合 平成16年分の各種の所得金額の合計額から基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額に基づいて計算した税額から配当控除額と定率減税額を差し引いて残額のある方は、申告をしなければなりません。 ----------了---------- ここにあるように、所得税には幾つかの「控除」というのがあるから、それを差し引いた税額が「無いっすよ」という人は申告する必要はないのね。けれど僕は、数ヶ月でチャトレを辞めるならいざ知らず、一年二年と続けてみたいと考えているのであれば、是非この機会に、税金というものを考える切っ掛けを手にして欲しいと願っているわけ。 「黙ってればわかんないんじゃないの?」「税金なんて、払うのいやだー」という子もいるかもしれないね。けれどよーく考えてみよう。きみたちに「賃金」を払っているチャットサイト管理者たちは、まず確実に所得税の申告をしてるだろう(内容はどうであれ……)。ということは、きみたちに支払われたお金の内訳というのは、すべて税務署に届けられているということになる。 そう、毎月10万円ずつ収入があれば、一年で120万円になる。もう立派な事業所得者だ。それなのに所得税を払わず「ぜんぶお洋服に化けちゃったぁ〜」なんて言い訳が通用すると思う?そういう行為を「脱税」と呼ぶのね。犯罪意識が薄いかもしれないけど、立派な犯罪。 権利を主張するのなら、義務もしっかりと負いなさい。それが大人というものでしょ。好むと好まざるとに関わらず、この国に属して生きているのであれば、国の決まりに従うのは義務というもの。それをきちんと負った上で権利を主張するのが筋というものだろうと僕は思うけどね。 それにね、じつはこの確定申告、まんざら捨てたものでもないんだ。じつは過日、とあるチャトレちゃんと申告の話になったんだけど、僕は彼女に「できれば青色申告したほうがいい」とすすめた。提出書類は多少ややっこしくなるけど、白色(一般)で申告するより控除もあるし、さまざまな「経費」という美味しいオマケもついてくる。 チャトレちゃんたちの多くは、おそらく自分の行為を「事業」とは認識してないだろうね。「仕事」とは考えても、なかなか「事業」とまでは思いつかないような気がする。けれど、れっきとした事業なんだ。そして事業を行う際に必要となるさまざまな費用は、事業経費ということになる。これね、経費として認められると、所得から差し引いて税額を計算するのね。つまり、納税額が少なくなるということ。 例えば、チャトレちゃんたちが日々使っているパソコン。その多くは「個人で買いました」だと思うんだけど、事業(=チャトレ)を行うためにパソコンは必要なのだから、考え方によっては、「パソコンはチャトレ稼業をやる際の経費で購入」という解釈も成り立つと思うんだ。いや、冗談ではなくて、きわめて真面目な意見。 ね、そうやって自分がチャトレをやる際にかかる「経費」ってのに思いを巡らせると、払う税金を少しでも少なくすることができる。これはね、脱税とはいわないよ。節税っていうの。そりゃ、ありもしない架空領収書を用意して経費上増ししちゃ明らかに脱税だけど、事業として考えたときに必要な経費は正当な経費なのだから。 と、ここで「何か」に気づいたチャトレちゃんはいるだろうか。そう、源泉徴収をされていても、申告すると内容によっては「税金が還付(つまり戻ってくる)」されることもある。源泉というのは支払った賃金に一定の割合で課せられる。つまりそこには「これだけお金を払ったよ=相手はこれだけ所得があるよ」という意味は込められていても、前述のような「経費」には触れてないからだ。 付け加えれば、確定申告には基礎控除の他にさまざまな控除があって、身近なところでは、扶養家族(子ども等)がいれば扶養控除を受けることもできる。チャットサイトに登録する際、そういう家庭の事情も申告した?しないでしょ?ということは、あちらはそういうことを知らずに源泉徴収してるということになるのね。 実際の所得に対して、事業者として経費がかかった。その経費は所得から差し引くことが可能となる場合があるから、税務上の所得というのはもっと少なくなるに違いない。基礎控除や扶養控除まで含めると更に減額される。けれど源泉徴収によって、税務署には「賃金のみ」相当の税金が納められている……。さあ大変だ。「税金なんか払いたくなーい」といってたつもりが、必要以上に納税してるという事態になってしまったではないか。 そんなことがあるの?と思われるかもしれないけど、これは税金の仕組みを理解すれば当たり前の出来事であって、だから税金のことを少しでも知っておいたほうがいいんじゃないですかという話になる。所得税というのは、「前払い」なんだな。前年の納税額に照らし合わせて前もって納付し(予定納税)、後から申告に基づいて清算するという仕組みになっている。だから「還付」という現象も当たり前のように起きてくるわけね。 もっとも、申告しなかったからどうなったという話は、じつは耳にしてないから、そのままうやむやに処理されちゃってるケースが多いのか少ないのかも僕にはわからない。けれどさっきも書いたけど、社会の一員として生きている以上は、定められたルールは守って欲しいと思う。それがしいては、きみの行動を社会的にも正当化するのだから。堂々とやろうよ、堂々と。 そして、よく「国民の税金を無駄遣いしやがって」という言葉を耳にするけど、言ってる本人は税金の仕組みを本当に熟知し理解しているのだろうか。国を動かすにはお金がかかる。そのお金は税金からまかなわれる。であるならば、うだうだ能書きたれる前に、自分の納税義務という姿勢を明確にし、税金を知ることが先決ではなかろうか。 「せっかく稼いだのに税金で持ってかれちゃうなんていやー」なんて言わずに、そのきみが納税するお金こそが、きみの身の回りの社会を作っているということを、「一事業者」であるならば自覚して欲しいとも思う。 所得税の確定申告はお早めに。僕は……もう済ませました。 国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/
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