ヲトナの普段着

2005年04月18日(月) ビジネスチャンスの話

 ウェブという世界にはビジネスチャンスが結構ごろごろしていて、二番煎じではなかなか成功が難しいものの、見事に的を得たアイデアとノウハウで颯爽と登場できればおもしろいことになるケースは少なくないのだろう。
 
 かく言う僕の胸のうちにも、このライブチャット業界に関係するビジネスのアイデアがひとつあった。「あった」と過去形で書いているのは、藁しかつまってない頭を必死に稼動させてみても、ひとりではどうにも道を探し出せなかったということで、つまりは自力成就を諦めたということである。
 
 
 ひとことで言えば「ポイント交換システム」だ。すでにここのコラムにもちらっと書いたように、複数のチャットサイトに登録していると、半端なポイントがあっちこっちに残っているということが少なくない。それらを一ヶ所で集計して、お好きなサイトのポイントに変換しましょ、というサービス。
 
 チャット業界ではないけれど、ウェブではすでに、そのようなポイント交換サービスは稼動している。有名なところでは、クレジットのVISAが、自分とこの利用者が蓄えた利用ポイントを、他の各種オンライン店舗のポイントへと交換するサービスを行っているのだ。僕もよくそうしてポイントを有効に活用してるんだけどね。
 
 ただしこのアイデアを実現するには、幾つかの山を越えねばならない。僕が考えるだけで「幾つか」なのだから、実際に取り組むと途方もない山の連続かもしれないけど、ライブチャットを利用している側にとっては、きっとこれは夢のようなサービスになるのではなかろうか。わたしゃ早くそういうサービスが登場してくれることを祈ってます……。
 
 
 半ば諦め半分のやけっぱちだから、僕が頭のなかで考えたことを洗いざらい書いちゃうけど、まず最初の難関として、サイトごとのポイントシステムの違いが挙げられるだろう。いわゆる「単価」の違いであり、サイトごとに「サービスでつけるポイントの比率」が異なっているという点だ。千円買ったときのオマケと五千円買ったときのオマケ、そして一万円買ったときのオマケが異なるということは、同一サイト内においても、ポイント購入時の単価は異なるということになる。
 
 最も手っ取り早いのは、すべてのチャットサイトでその辺の「オマケ比率」を統一してくれるといいんだけど、そんなことはおそらく不可能。となると、「なにかを基準」にしてサイト同士のバランスをとらないといけなくなる。為替レートとも少々違うようには思えるけど、考え方としては似たようなものなのかな。「あそこのサイトは1ポイント〜円だけど、きみのところは1ポイント〜円ね」てな按配である。
 
 そう、登録時にもらえる無料ポイントの扱いにも苦慮せねばならない。何らかのガイドラインを設けないと、無料ポイントばかりを集めてどこぞのポイントに交換して、無料でチャットやり放題なんて輩が現れないとも限らないからだ。これはあくまで継続してライブチャットを楽しむ人のためのサービスなのだから、野球界のFAみたいなシステムも考慮する必要があるかもしれない。
 
 
 ポイントはプリペイドだから、客がポイントを移動する際には当然のことながら、サイト間で金銭の授受が行われるということになる。せっかく客を騙してせしめた金(というのは口が悪すぎますな)を他のサイトにとられるなんぞ言語道断。と思うサイト運営者もいるだろう。
 
 そう、このサービスは一見、「客をよそにとられる」というサービスに思われるかもしれないけど、じつはそんなことはない。あちらからお客様がやってくる可能性だってあるからだ。半端なポイントを集計してどこかで使えるとなれば、客のほうだって安心して色んなサイトに登録できる。それはチャット界全体の活性化に寄与することとなり、客と運営側双方にとってプラスになるだろうと僕は想像している。
 
 もちろん、駄目なサイトからは客は遠のいて、優良なサイトに集まることになる。だから競争はいま以上に激化するだろうし、サイトとしてもおちおちしてられないということになるに違いない。されど、半端なポイントを有効活用できるという「逃げ道」を客側に提供することで、客はサイトに登録しポイントを購入しやすくするわけだから、むしろ仕事がやりやすい環境になるという見方もできるだろう。
 
 
 ビジネスなのだから、ポイントを交換するプロセスにおいて、当然のことながらマージンはいただく。割合はどうであれ、かき集めたポイントが若干減ってしまうことにはなる。けれどそれでも、僕は客の立場として、使いようがないポイントをあっちこっちに置いておくよりは、多少減ってでも有効に使えればと思う。
 
 どうだろう、やってみる気をおこした人はいるだろうか。考えれば考えるほど、数多の障害がでてきそうなアイデアとも思えるけど、これが実現するようであれば、このライブチャットという世界もそこで、一段大きく階段をのぼることになるような気が僕はしている。本当は、僕がやってみたいんだけど……ね。


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ヒロイ