Wakako's Diary 道すがら記

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204号室の人 - 2004年10月02日(土)

雨。イチローが大リーグで新記録を達成した。テレビで17、8分もかけてそのニュースを流していて,いいのかなあと気になったが。

夕方うたた寝をする。

その中で夢を見た。

大き目の程よく格のあるホテルの中をうろうろしていて、ホテルの庭を歩いていたりするとき、清楚な女の人を見かけた。竹久夢二の絵に出てくるような、うら若い美人である。思わず目が釘付けになった。
どことなくはかなげで、何かストーリーがありそうだった。

時に彼女は夫と思われる男性と連れ立っていたり、一人だったりした。
笑っていても、うら寂しげな表情を浮かべていた。

一度、ホテルの部屋の窓から、カーテンに隠れて、こちらをじいっと見ていたことがあった。寂しそうで、今にも消えそうだった。

私は気になり、ホテルのフロントでその女性に会いたいと申し出た。
意外にあっさりフロントの人は部屋の番号を教えてくれた。
お客様は204号室にお泊りです、と。

私は204号室に向かったが、入れ違いか何かで会えなかった。部屋には誰もいなかったから。空け放たれた窓から、風が入り、カーテンがはためいていた。

私は、もう彼女には会えない、彼女は死んでしまったのだ、と感じた。

時々、古く大きく壊れかけた携帯電話が2、3台登場して、使おうとする端から調子が悪くなったりしながら、時は過ぎた。また、途中でパラリンピックのマラソンで土田和歌子が金メダルをとったニュースも入ってきた。

暫くしてから、あるいは1年2年経っていたのかもしれない。私は何かの勉強会だかのためにホテルの中庭を歩いていた。そしたら、あの彼女の姿を見つけた。何か晴れやかな表情を浮かべていた。

私は、再度204号室に足を運んでみた。

いや、足を運ぼうとしたら、その前にホテルのラウンジで彼女に会うことができた。

こんにちは、お元気でしたか、彼女に声をかけてみた。

視線は交わしていても、おそらく話したこともない人間に対して、彼女は微笑みながら答えた。

「明日離婚するんです」

嬉しそうな彼女に安心して、私もほっと胸をなでおろした。

はかなげな彼女はどこへ行くのだろう。どんな人だったのだろう。


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