2015年12月22日(火) |
起訴猶予と嫌疑不十分 |
日経(H27.12.22)社会面で、京都地検が、出会い系サイトの掲示板で売春に関する言葉を伏せ字にして買春客の勧誘を助けたとして、売春防止法違反のほう助容疑で逮捕された掲示板の運営会社の元社長ら3人を起訴猶予処分にしたという記事が載っていた。
地検は「ほう助の犯意が強くなく、反省していることも考慮した」としているそうである。
起訴猶予とは、犯罪の疑いが十分にあるが、被疑者の反省などの特別な事情に配慮して検察が起訴しない場合になされる処分である。
しかし、もともとほう助行為は非常に広い概念で、犯罪の成立範囲があいまいになりがちであるのに、その犯意が強くなかったというのであれば、起訴しても公判維持ができなかったのではないか(有罪にならない)と思われる。
地検も、そのような判断をしたから起訴しなかったのであろう。
そうであれば、起訴猶予ではなく、証拠が不十分なときに適用される、「嫌疑不十分」とすべきではなかったか。
検察庁は、本来は嫌疑不十分であるのに、安易に起訴猶予処分する傾向があると言われている。
不起訴という結論は同じであるが、被疑者とされた側にとっては迷惑な話かもしれない。
お知らせ
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弁護士 土居範行
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