2015年12月15日(火) |
セーラー万年筆代表取締役を解任 |
日経(H27.12.15)企業総合面で、セーラー万年筆の中島義雄代表取締役が解職されたことに関し、中島氏は決議は無効であると主張し、東京地方裁判所に決議無効の仮処分を申し立てたと報じていた。
中島氏は大蔵省主計局次長を務めたエリートであったが、過剰接待を受けたことが問題となり辞任し、京セラの幹部や船井電機の副社長を務めた後、業績不振のセーラーに入社したという異色の経歴を持っている。
セーラーの業績は07年12月期から8期連続の赤字だったが、今期は8000万円の黒字を見込んでいる。
また、文具市場は縮小することが予想される中で、中島氏は新規事業を推進しており、不合理な経営をしているとは思えない。
しかし、代表取締役の選任、解任は取締役会の決議事項である。
それゆえ、どれだけ業績を上げたとしても、取締役会で解任されれば、それは法的には有効である。
もちろん、手続きに瑕疵があれば無効になることはあるが、それは考えられないだろう。
記事では、「今後法廷闘争に移る可能性が高いが、中島氏側も現経営陣側も強気の姿勢を崩しておらず、争いが長期化する懸念もある。」としていた。
しかし、裁判では、さほどの時間を置かず中島氏の言い分が却下され、あっさり決着がつくのではないだろうか。
お知らせ
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弁護士 土居範行
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