日経(H27.11.12)社説で、東京都内の接骨院が、国民健康保険を運営する自治体から療養費をだまし取っていたとして、警視庁は暴力団幹部や柔道整復師らを詐欺の疑いで逮捕した事件について論じていた。
社説は、「不正受給の温床になっている」と指摘されていた制度の抜本的対策を求めるものであるが、審査を厳しくすべきという程度の指摘であり、対策としては不十分のように思う。
療養費で、保険が使えるのはねんざ、打撲など原因がはっきりしているけがに対してだけであるのに、保険対象でない施術にまで保険を適用し、療養費を自治体などに請求するケースが多数ある。
また、医療費についても、行っていない治療まで請求するなどの不正請求が数多く存在する。
実際、医療過誤事件でカルテなどを開示させたことがあるが、多数の不正請求がなされていた。
これらの不正請求は詐欺罪に該当するケースが多いと思われる。
今回の事件は、暴力団が介在し、組織的で極めて悪質なので警察が捜査に入ったのであろうが、不正請求が蔓延している現状では、もう少し積極的に捜査すべきではないだろうか。
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