日経(H21.1.20)11面で、東京ガスなど3社が、仙台市ガスの買収を断念したという記事が載っていた。
断念した主な理由は金額が折り合わなかったことであるが、仙台市が事業譲渡の条件として黄金株の保有を挙げており、それに東京ガスなどが反発していたこともあるようである。
黄金株とは、株主総会決議に対し拒否権が与えられている株式のことである。
この黄金株は、敵対的買収に対する防衛策として話題になることが多い。
また、事業承継のときの活用策として挙げられることもある。
しかし、もともとは国営企業などを民営化する際に、株主構成の極端な変動防止や会社の経営安定を図るために開発されたものとされている。
それゆえ、今回、仙台市が事業譲渡に際し、黄金株の保有を条件としたのは本来の使い方であり、不当な要求をしたわけではない。
しかし、買収する側にとっては、株主総会決議を拒否できる黄金株の存在は経営の自由度をなくすから、嫌であろう。
それゆえ、価格が著しく安ければともかく、黄金株の存在を嫌って買収しなかったことは合理的な判断といえる。
事業譲渡に際し、黄金株が何かすばらいしい効果があるように言われることがある。
しかし、このような事態をみると、黄金株の活用場面は意外と少ないかもしれない。
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