今日の日経を題材に法律問題をコメント

2008年10月29日(水) 「起訴猶予」とは犯罪行為が明白な場合であり、嫌疑不十分とは違う

 日経(H20.10.29)社会面で、福岡高裁那覇支部が、名誉毀損訴訟で、放送各社に対し「実名報道に慎重に対処を」との異例の言及をしたと報じていた。

 
 事件は、中学教諭が少女にみだらな行為をしたとして逮捕され、実名が報道されたが、その後起訴猶予になったことから、報道各社に名誉毀損で損害賠償請求したというものである。


 疑問なのは、起訴猶予処分なのに名誉毀損されたと主張していることである。


 というのは、起訴猶予とは、犯罪を行ったことは明白であるが、情状などを考慮して起訴しない場合だからである。


 犯罪を行ったことが明確なのであれば実名報道はやむを得ないといえる(そもそも実名報道が必要なのかという議論はさておき)。


 ただ、中学教諭が名誉毀損で訴えたことから推認すると、犯罪事実について嫌疑不十分または嫌疑がなかったのではないだろうか。


 検察官は、嫌疑不十分の場合でも「起訴猶予」とすることがあると言われているが、それは本来の意味の起訴猶予とは違う。


 もし嫌疑不十分であるのに起訴猶予処分としたのであれば、そのような安易な処分は問題ではないかと思う。


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->