日経(H20.9.26)社会面で、土地の売買契約をした後に、法律が改正され土地が有害とされたため、売主が除去費用を請求した事件で、東京高裁は、1審の判決を変更し、売り主側に除去費用として約4億4800万円の支払いを命じたと報じていた。
足立区土地開発公社は、1991年に土地を約23億円で購入したが、その時点ではフッ素は規制の対象ではなかった。
ところが、2003年施行の土壌汚染対策法で、高濃度のフッ素を有害物質として新たに規制することになったことから、公社が調査したところ、土壌に基準を超えるフッ素が含まれていたことが判明した。
そこで、売主に汚染土壌の除去費用を請求したというものである。
記事では「土地の売買契約時には無害とされていたフッ素が12年後に有害として法規制された」と表現していたが、無害なものが有害になるはずがない。
科学的にいえば売買の時点で有害であったわけであり、裁判所は、土地に瑕疵があったと判断したのであろう。
ただ、売買から12年も経ってから土壌規制がなされたのであるから、売主にとっては酷といえ、実際、1審では請求は棄却されている。
それゆえ、1審敗訴の時点で、感覚的には控訴しても勝てないと思うのが普通ではないだろうか。
その上、控訴審の訴訟費用が印紙代だけで200万円くらいするから、2審も敗訴すれば、公社ゆえ批判も出るであろう。
足立区土地開発公社はよく控訴したなあと感心した。
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