| 2008年06月13日(金) |
東京高裁が株主名簿閲覧請求を認める |
日経(H20.6.13)11面に、株主の原弘産が、TOBを提案している日本ハウズイングの株式名簿閲覧・謄写を求めた事件で、東京高裁は、東京地裁の決定を取り消し、閲覧・謄写を認める決定をしたと報じていた。
会社法では、株主は、いつでも株主名簿の閲覧等者請求ができるとしつつ、請求している株主と会社とが競争関係にあるときなどは閲覧を拒否できるとしている。(会社法の制定で新しく規定された)
しかし、「競争関係にある場合には閲覧請求を拒否できる」という規定については、M&Aの場合は競業関係にあることが多いため、委任状勧誘の障害になるとして批判されていた。
他方、株主名簿は誰が会社に出資しているかの名簿であるから、会社にとって重要な情報である。
とくに競争会社には知られたくない情報であろう。
また、他の株主にも、安易に自分の個人情報を知られたくないという利益があるだろう。
これらの利益を総合考慮する必要があり、なかなか難しい問題である。
(以前、競争関係にある場合は閲覧を拒絶できるという会社法の規定は問題であると書いたかもしれないが、そう簡単に言える問題ではないようである)
一審は、閲覧請求を認めなかった。
これに対し、東京高裁は、「株主の権利行使のための調査目的であると証明できたとき」という条件をつけつつも、閲覧請求を認めたものである。
日経にしては小さな扱いの記事だったが、重要な判例だと思う。
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