| 2008年02月21日(木) |
「法は家庭に入らず」 |
日経(H20.2.22)社会面で、裁判所から選任された未成年後見人でもある祖母が、孫の貯金を着服した事件で、「配偶者、直系血族の間などでの財産犯罪は刑を免除する」との刑法の特例が適用されるかどうかが争われた裁判で、最高裁は、「未成年後見人には刑法の特例は適用されず、祖母であっても処罰される」との判断を示したと報じていた。
刑法では、親族間における窃盗罪などについて、「法は家庭に入らず」との考えの下、刑が免除されることを規定している。
そのため、この事件でも祖母は、未成年後見人に選任されていなければ刑は免除された。
ところが、最高裁は、未成年後見人という公益上の義務を重視したのであろうと思われるが、刑は免除されないと判断したものである。
結論として妥当であると思うが、そもそも「法は家庭に入らず」という趣旨が今日でも妥当するのだろうか。
例えば親が子どものお金を盗んだときに、もちろん法が介入すべきでない事案もあるだろうが、必ず刑を免除すべきなのだろうか(現行法の規定は「必要的免除」である)。
財産犯ではないが、すでに配偶者からの暴力の防止の関する法律(DV法)が制定されており、これは法が正面から家庭に介入するものである。
そのようなことも考えると、親族間の一定の財産犯について刑を必ず免除することの妥当性を再検討すべきでないだろうか。
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