今日の日経を題材に法律問題をコメント

2007年09月19日(水) 名誉毀損事件 通信社の責任は否定し、地方紙の責任は肯定

 日経(H19.9.19)社会面で、心臓手術を受けた女児が死亡した事故を報じた記事に対し、名誉を毀損されたとして、担当医が記事を配信した共同通信社と掲載した地方紙3紙に損害賠償を求めた事件に関する記事が載っていた。


 この事件で、東京地裁は、通信社への請求は認めなかったが、地方紙には計385万円の支払いを命じる判決を言い渡したとのことである。


 理由として、共同通信社については、記事は同病院の調査報告書や捜査本部の記者会見の取材などに基づいており、事実関係を誤信したのには相当な理由があったから責任はないとした。


 これに対し、地方紙については、通信社の配信というだけで内容を真実だと信じる理由になるとはいえないとした。


 最高裁は、ロス事件を報じた記事について、「通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社にその内容を真実と信ずるについて相当の理由があるとはいえない」と判断している。


 東京地裁の判決は、この最高裁判決を意識していることは明らかである。


 しかし、共同通信社については賠償責任を否定しながら、その配信を受けた地方紙は賠償責任を負うというのは違和感がある。


 これでは地方紙は、直接取材しない限り記事にできないことになってしまいかねない。


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