日経(H19.8.16)15面の「大機 小機」という、ペンネームの署名入りコラムで、村上ファンド代表のインサイダー取引事件について、「裁判官は金融取引を理解していない」と批判していた。
確かに、この事件で裁判官はインサイダー取引について必要以上に厳しい見方をしており、適切さを欠くのではないかと思う。
そうはいっても、このコラムに書いている内容はいかがなものかと思う。
コラムでは、インサイダー取引で違反になるのは「インサイダー情報を入手した人が、証券を取り引きして利益を得た場合」であるとする。
しかし、インサイダー取引の成立の有無に際し、利益を得たかどうかは要件ではない。
インサイダー情報を利用して取り引きをすると、利益を得なくても処罰される。
それは、インサイダー情報を利用すること自体が、有価証券市場に対する信頼を害するからである。
この筆者は、インサイダー取引がどのような場合に成立するのか、そしてインサイダー取引の規制の背景にある立法趣旨が何かを理解していないと言わざるを得ない。
このような誤りのあるコラムに新聞のチェックは入らないのだろうか。
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