| 2006年10月19日(木) |
比較広告における科学的検証の程度について |
日経(H18.10.19)社会面に、「知財高裁は、グリコの『ガム虫歯予防の効果5倍』という比較広告の差し止めを命令した」という記事が載っていた。
この訴訟は、グリコが、自社のガムを「一般的なキシリトールガムに比べ約5倍の再石灰化効果を実現」と広告したのに対し、ロッテが、広告の根拠となった実験の正確性等を問題にして、広告差し止めなどを求めていたものである。
高裁では、実験の正確性が改めて問題になり、グリコが自社の推薦する研究者による実験に固執したため、裁判所は「必要な立証を放棄した」と判断したようである。
この判決について、ロッテ側は、「比較広告について厳密な科学的検証が必要とすることを判示した」と評価しているようである。
しかし、記事の判示内容からは、そこまでは読み取れない。
確かに、科学の世界では、実験結果について、第三者による実験再現によって検証されない限り、成果として認められない。
しかし、本件訴訟では、比較広告が虚偽かどうかが問題なっているのだから、実験に一応の合理性があればよく、厳密な科学的検証までは必要ないと思う。
もっとも、敗訴したグリコは、「実験は一流の研究者でなければ再現できず、判決は遺憾」というコメントを発表していたが、これはこれであまりにむちゃな論理である。
「一流でなければ再現できない」と言う研究者というのは、本当に「一流」なのだろうか。
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