今日の日経を題材に法律問題をコメント

2006年01月19日(木) 東証の取引停止に損害賠償請求ができるか

 日経(H18.1.19)1面トップで、東京証券取引所の売買を全面的に停止し、20分早く終了したと報じていた。

 ライブドア・ショックで売買がシステムの能力の限界に近づいたためである。


 社会面では、この措置に対し「補償があるのか」という問い合わせがあると報じていた。


 確かに、売り急いでいたのに、この取引停止で売れずに抱えてしまった人が、損失補償を求める気持ちは分かる。

 しかし、それが法律上の損害賠償請求という意味であれば、それはできないだろう。


 その理由は、第一に、システムの能力の限界を超えることによる不測の損害を考えると、取引停止はやむを得ない措置であり、違法性がないといえるからである。

 これに対しては、システムの能力を増強しておくべきであったという批判はあるだろう。

 もちろん、その批判を東京証券取引所は甘受すべきである。

 しかし、東京証券取引所もまったく放置していたわけではない。

 しかも、ライブドア・ショックという突発的事情であることから、違法性としてはないであろう。


 理由の第二は、次の日に売買ができて損害を被った人は、仮に、システムが停止されずに当日に売買できていたとしてもやはり損害を被った可能性は高い。

 すなわち、取引停止と損失との因果関係がないということになる。


 このような理由から、取引停止措置に対し、法律上の意味での損害賠償を求めることはできないと思う。


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