今日の日経を題材に法律問題をコメント

2005年09月22日(木) 契約書は重要である

 日経(H17.9.22)社会面に、カードシステム開発会社が、NTTコミュニケーションズに対し、1億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は、NTTコミュニケーションズに、請求どおり1億円の支払いを命じたという記事が載っていた。

 記事によれば、この事件は、カードシステム会社のシステム採用をNTTコミュニケーションズが約束したのに、それをほごにしたというもののようである。


 大手企業が、中小企業と何らかの合意をしながら、その約束をほごにするという話は比較的よく聞く。


 その場合、中小企業側は、契約書をきちんと交わすことなく、担当者間の口頭ベースで話が進めることが多く、そのため合意の内容が明確でなく、約束をほごにされても、泣き寝入りするしかないことも少なくない。


 したがって、NTTコミュニケーションズに対する1億円もの請求を認めたというのは珍しいように思う。


 記事によれば、覚書を作成していたようであり、それが効をそうしたのかもしれない。


 ただ、裁判長が、行政訴訟で行政側をことごとく負かした有名な裁判官なので、控訴審でどうなるかは分からないが。


 < 過去  INDEX  未来 >


ご意見等はこちらに
土居総合法律事務所のホームページ


My追加
-->