今日の日経を題材に法律問題をコメント

2005年07月06日(水) 不作為による殺人

 日経(H17.7.6)社会面に、「ミイラ遺体事件で懲役七年が確定へ」という記事が載っていた。


 成田のホテルでミイラ化した遺体が見つかった事件で、ライフスペースの代表者が殺人罪に問われたものである。


 この事件の特徴は、代表者は積極的に殺害行為をしたわけでなく、放置しただけであり、不作為の殺人罪を問われたことである。


 不作為犯が成立するためには、作為する義務が必要であり、その義務を怠ったことが違法行為と評価されることになる。


 刑法の教科書にはよく登場するような事案であるが、実際に不作為の殺人が認められることはめったにないと思う。


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