2005年02月03日(木) |
再び゜一太郎」製造・販売禁止について |
日経(H17.2.3)2面社説に、「ソフト戦略問う『一太郎』判決」という見出しで、東京地裁が、特許侵害を理由に、ワープロソフト「一太郎」の製造・販売の禁止を命じたことについて論評していた。
社説では、
「問題となったペルプ機能同様の機能は他のソフトでも使われている」 「特許侵害といっても、すでに松下では使っていない技術である」 「アメリカでは、裁判所は使いやすさや技術の向上を重視している」 「先人の技術を改良して機能を高めていくことは消費者にとっても利益になる」 「日本にも90年代まで多くのソフト会社があったが、最近は外国勢に押されている」
などと書いていた。
「ソフト戦略を問う」と大げさな見出しを付けているが、要するに、「『一太郎』の製造販売を禁止すると、日本で唯一勝負できるソフトまで外国勢に負けてしまうから、裁判所はもう少し考えて欲しい」ということのようである。
しかし、社説にしては情緒的過ぎではないだろうか。
この問題は特許を侵害しているかに尽きる。
もちろん、そこには技術改良を認めることによる利益と、特許権者の保護との調和が問題になる。
しかし、「一太郎」だからといってとくに特許権者の権利がないがしろにされていいはずがない。
社説なのだから、もう少し論理的な展開をしてはどうかと思った次第である。
|