2002年02月18日(月) |
空売り規制は、一部肯定できないものがある |
今日の日経社説は、「株式取引には厳格なルールが必要だ」という見出しで、金融庁が要請した空売り規制について、過剰な規制とはいえないとして、それを肯定する内容であった。
確かに、金融庁が出した大部分の規制は肯定できるが、一部については、その目的からいって、適切でないと思われる箇所があると思う。
そこで、金融庁が出した空売り規制をみてみると、次の内容である。
・空売りの価格制限の強化
・信用取引の残高情報の開示の充実の要請
・空売り用の株式貸出料の引き上げの要請
これらの規制の目的は、不当な相場操縦を排除して、株式取引の公正化を図ることにあるはずである。
いいかえるならば、その規制が、株価を上げるための対策であってはいけない。 なぜなら、株価を上げるために政府が過剰規制することは、株式取引の公正化に反するからである。
かかる目的に照らして検討してみると、先日も書いたが、信用取引の残高開示の充実というのは、遅すぎたくらいであるし、空売りの価格制限の強化も、相場操縦を防ぐという目的に合致しており、妥当な規制といえよう。
しかし、株式貸出料の引き上げは、株式取引の公正化をはかるという目的には合致しないのではないか。
貸出料の引き上げという対策には、むしろ、空売りを悪者とみて、空売りを排除して株価の下落を防ごうという意図が見える。
日経社説は、すべての規制を一括りにして、その規制を肯定しているが、規制目的は何かを踏まえた上で、その目的に合致しているかどうかを一つ一つ検証すべきであろう。
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